Cento

  • DX Office 下矢印
  •                                   

TOP

CONTENTS
記事写真

DX Office

DX(デジタルトランスフォーメーション)国内・海外10の成功事例

2018年に経済産業省から「DXレポート」が発表されました。

これにより、日本国内の多くの企業が「DXを推進しなければ」という危機感を感じています。

しかし実際は「DXを推進したが、思うような成果を得られていない」「そもそもどんなふうに進めて良いかわからない」こういった悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、国内外のDX成功事例を具体例を交えつつ、わかりやすく解説していきます。


1.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

そもそもDXとは、デジタルトランスフォーメーションを表す略語です。

2004年に、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が論文のなかで提唱しました。

その概念は、「AIやIoTをはじめとする進化したデジタル技術を通じて、人々の生活をより豊かでより良いものに変革すること」を意味しています。

DXの定義

日本の経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。

2.日本国内のDX成功事例

世界的に見ても、DX実現の必要性は非常に高いと言えますが、日本国内の企業はかなり遅れを取っているのが実情です。

そこでこの章では、国内でいち早くDXに取り組み、成果を上げている企業を紹介します。

①日立製作所(DX銘柄2021グランプリ企業)

https://www.hitachi.co.jp/

日立製作所は、協創システム「Lumada」を活用し、社内外での新規ビジネスの創出やDX推進に向けた基盤や戦略、体制を構築しています。

Lumadaは3つの要素で構成されています。

1つ目は、顧客が業務を変革するための価値観を共有し、さらに戦略をデータ分析に基づいて共に立案する方法論です。

2つ目は、日立がこれまでに培ってきたノウハウや知見をLumadaのユースケースとして、AIやアナリティクスなどに蓄積し、分析して活用する手法です。

3つ目は、協創プロセスを素早く回していくために、多くのデータやアイデアを持ち寄ったIoTプラットホームを構築、デジタルイノベーションを実現するための先進的な技術と製品を提供することです。

Lumadaは、鉄道やエレベーターの故障診断ノウハウを自動車に応用したり、マイナンバーカードを活用した、住民手続きのデジタル化などの自治体のDXなどのサービスも創出します。

日立は、Lumadaを活用して、協創の成果や技術をフル活用しながら、ビジネスや社会を変革するデジタルイノベーションをすすめています。

②JR東日本

https://www.jreast.co.jp/

JR東日本は、「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」という独自のシステムを構築しています。

これまでは人々が旅行する場合、様々な企業とやりとりし、それぞれのサービスを予約しなければなりませんでした。

JR東日本はITを活用し、旅行客の移動のスケジュール検索、各移動手段の利用の手配、それぞれの決済を一括で行うことのできるシステムを開発しました。

このシステムが「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」なのです。

旅行客はインターネットサービス「えきねっと」を介して、ネットワークのセンターサーバーにアクセスします。

予約情報の管理、認証を行い、目的地までのスムーズな移動と移動時間の短縮が可能になりました。

また、新幹線では自動改札機にICカードをタッチするだけで、チケットレスで利用することができます。

JR東日本は、デジタル技術を活用し、人々の快適な移動を支えています。

③トヨタ自動車

https://toyota.jp/index.html

トヨタ自動車は2020年に、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市、「コネクティッド・シティ」の概要を発表、2021年に着工しています。

「Woven City」(ウーブンシティ)と名付けられ、トヨタ自動車の従業員やプロジェクトの関係者など約2000名の住民が実際に生活することを前提として作られています。

自動運転、パーソナルモビリティ、モビリティ・アズ・ア・サービス、スマートホーム、ロボット、AI技術などを導入する予定です。

静岡県裾野市に設置されるこの未来都市では、3種類の用途の違う道路が建設される予定となっています。

1つ目は、完全自動運転、ゼロエミッションの自動車のみが走行する高速道路のようなモビリティ専用道路。

2つ目は、スピードの遅いパーソナルモビリティや歩行者専用の道路。

3つ目は、歩行者専用の公園のような道路です。

街のなかの建物は、主にカーボンニュートラルな木材を活用して建てられ、太陽光パネルの設置など、環境との調和を目指します。

自動運転やAIなどを活用し、住民たちは生活の質を向上させる大規模な実証実験を行います。

④大塚製薬

https://www.otsuka.co.jp/

大塚製薬は、「IoT薬箱」や「デジタルメディスン」の開発、デジタル治療アプリの開発など、様々なDX事業に取り組んでいます。

大塚製薬がNECと共同で開発したのが、患者の服薬をサポートする「IoT薬箱」です。

脳梗塞の患者を対象に、服薬の時間になったらLEDが点滅し、お知らせしてくれるものです。

患者が薬の入ったプラスチックの容器から薬を取り出したら、LEDは消灯し、服薬が完了したことをアプリを通じて患者本人や医師などのスマートフォンに通知することができます。

また、服薬記録をアプリに記録することもでき、治療に役立てることができます。

大塚製薬は、アメリカのプロテウス社と共同で開発した「デジタルメディスン」の「エビリファイマイサイト」で、世界で初めて米国食品医薬局(FDA)から承認を受けました。

これは、大塚製薬が自社で創薬した抗精神薬「エビリファイ」の錠剤に、プロテウス社が開発した超極小のセンサーを埋め込んだ薬です。

エビリファイマイサイトを服用すると、患者の胃液にセンサーが反応します。

センサーが反応したことをアプリに通知し、自動的に記録されます。

センサー自体は非常に小さく、消化吸収されることなく体外に排出されるため、安全に使用することができます。

服薬をコントロールしづらい精神疾患の患者の服薬をアプリで確認することができるため、医師や介護者の負担軽減に繋がることが見込まれています。

⑤鹿児島銀行

https://www.kagin.co.jp/

鹿児島銀行は独自の決済アプリ「payどん」を開発しました。

地域振興のために県内におけるデジタル化の実行をモットーにしている鹿児島銀行は、開発したpayどんを活用し、完全キャッシュレスの商業施設を鹿児島市内に設置しました。

金融機関が専門機関との連携をすることなく、自社で決済アプリの開発をするというのは、極めて異例なケースでしたが、鹿児島銀行は開発に成功し、運用を開始することができました。

多くの地方都市が抱える、決済手数料や決済端末不足などの問題をクリアし、高齢者のキャッシュレスへの抵抗感を払拭できたのも、鹿児島銀行が成功することができたポイントです。

また、コロナ禍での経済停滞打破を図るため、ネットショップ開業支援を開始するなど、地域密着でDXを推し進めています。

3.海外のDX成功事例

近年、多くの海外企業がDXを推進し、いち早く新たなサービスやシステムを生み出しています。
この章では、海外のDX成功事例を紹介しています。

①Netflix

ttps://www.netflix.com/jp/

Netflixはもともと、レンタルDVDを消費者の自宅に郵送する会員制サービスを行っていました。

当時主流だった返却期限を過ぎたら延滞金が発生するサービス形態ではなく、月額制プランであるサブスクリプションを導入し、レンタルDVD業界に革新をもたらしました。

2007年にはレンタル業界からほぼ撤退し、現在のサービスである動画配信サービスを開始しました。

インターネット上で会員登録、決済をすることで無制限に映像作品が楽しめるサービスは、現在世界中で多くのユーザーを獲得しています。

IT技術の進歩によってもたらされる未来のトレンドを予想し、見極め、いち早く取り入れることができたのは、NetflixのDX成功の一番のポイントであると言えるでしょう。

②Uber

https://www.ubereats.com/jp

コロナ禍のおうち需要で注目を集めたウーバー・イーツ。

その大元は、ウーバー・テクノロジーというパソコンやスマートフォンで売り手と買い手をコーディネートするテクノロジー企業です。

アメリカでは、タクシーなどの自動配車サービスやカーシェアリングサービスが根幹となっています。

ウーバー自体がタクシーを所有しているわけではなく、手間を省きたい買い手側と、空いた時間で仕事がしたい売り手側をつなぐシステムを構築し、提供しています。

ウーバー・イーツもそのシステムを活用し、料理店の従業員や配達員、料理店を直接管理するのではなく、手間を省きたい料理店と、空いた時間で仕事をしたい配達員をつなぐ役割を果たしています。

③シーメンス

https://new.siemens.com/jp/ja.html

シーメンスは、ドイツのミュンヘンに本社を置き、電信、電車、電子機器などを製作する会社として創業しました。

鉄道の分野では、世界でも3本の指に入るほど、とても有名な会社です。

シーメンスは、早い段階から将来を見据えてDXに取り組んできました。

特に製造業におけるDXを積極的に推進し、MindSphere(マインドスフィア)という産業用ソフトウェアプラットフォームを開発しました。

これは、産業機械をクラウドネットワーク上で管理するシステムのことで、機械の稼働データを収集し分析していくことで効率的な運用を目指すためのものです。

低価格なうえに、ユーザーが使いやすいようにカスタマイズが柔軟に行えることから、DX分野での存在感は高まって来ています。

日本でもマインドスフィアの導入を検討する企業は、年々増えています。

④ディズニープラス

https://www.disneyplus.com/ja-jp

ディズニーといえば、映画などの映像作品やディズニーランドなどのテーマパーク事業が有名です。

そんなディズニーが近年力を入れているのが、「ディズニープラス」です。

これは、月額制の映像配信サービスで、既存の映像作品から、ディズニープラスでしか視聴できないオリジナルコンテンツなどを数多く配信しています。

ディズニーは、このオリジナルコンテンツの製作に巨額の資金を投入しています。

なぜこれほどまでに映像配信事業に力を入れるのかというと、自社の他事業のための「クロスプロモーション」としてディズニープラスが機能するからです。

自社の映像配信サイトを持ち、運営することで、ユーザーと直接つながることができ、ユーザーのニーズをリアルタイムで収集することができます。

ユーザーの登録情報と閲覧履歴などを収集、分析することで、映画事業やテーマパーク事業の戦略に役立てることができ、結果的に利益を生むことができます。

⑤ウォルマート

https://www.walmart.com/

大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートは、オンライン注文の効率化だけではなく、実店舗での消費行動を維持しつつ、買い物の体験を大きく変えました。

ウォルマートは、コロナ禍でも業績を伸ばし、約60兆円の営業収益をあげることに成功しています。

この大躍進をさせているのが、タイムリーな天日機能の調整を行い、無駄なエネルギー消費を抑えながら品質を保つIoTです。

各部門で収集されるIoTデバイスデータ形式を統一し、現場に迅速に情報が届くようにしました。

店内の冷蔵庫や冷凍所を一元管理し、リアルタイムで稼働状況を管理することができるようになったことで、故障前に修理やメンテナンスを行うことが可能になりました。

その他に、オンラインで注文、決済した商品を受け取る専用のドライブスルーや、オンラインでの注文で病院の処方箋を出したり、店頭に無い商品のオンライン注文・配送システムなど、さまざまな変革を実行しています。

4.DX推進に取り組むべき理由

ここまで、DXの成功事例を紹介してきました。

この章では、なぜDXの推進が必要なのか、企業がDXの推進に取り組むべき理由について解説します。

コスト削減につながる

今まで人が管理していた部分を、AIなどの機械に任せることにより、コストの削減につなげることができるようになります。

また、経済産業省が発表した、「2025年の崖」によると、DXの推進が2025年に間に合わない場合、2030年までの間に、年間で約12兆円の損失が出ると予見していることからも、DXの経済的な重要性がよくわかります。

スマートフォンの普及による消費行動の変化に対応する

スマートフォンが一般に普及したことで、誰もが簡単にインターネットにアクセスできるようになりました。

また、コロナ禍の影響により、消費者の多くがインターネットを利用した消費行動を取る割合が多くなっています。

今や、人々の生活とインターネットは、切っても切り離せない関係なのです。

また、SNSなどの普及により、人と人との繋がりは、個人間だけにとらわれず、人と企業、企業と企業などのビジネスの領域にも貢献するようになりました。

従業員の作業効率化

DXを推進し、AIなどを導入することで、繰り返しの単純作業などを任せることができるため、複雑な業務や重要な業務に多くの時間を割くことができるようになります。

これにより従業員の負担が軽くなり、作業効率が上がることによって、会社全体のコスト削減にもつなげることが可能になります。

5.成功事例を参考に自社にあったやり方を見つけましょう

今回は、国内外のDX成功事例を紹介しました。

一言でDXと言っても、業種や業態によってアプローチの仕方は全く異なります。

そして、2025年の崖は目前に迫っています。

多くの日本企業はDX導入に消極的な状況ですが、そこで足踏みしていては日本企業は海外企業に置いていかれることは明白です。

DXに成功した企業の例を参考にしつつ、できるだけ早く自社に合った方法を見つけて実践していきましょう。

この記事をシェアする

twitterアイコン facebookアイコン

関連記事

【紙なんてもう古い!?】各企業がDXツールを導入する理由

優秀なDX人材へと育てるための資格8選|取得までの流れを徹底解説

今話題となっているDXとは?最先端技術による医療の課題解決!

「DX」×「グローバル」企業が世界で戦うための戦略

介護の新しい担い手 DX導入がカギ!

記事一覧に戻る