
DX Office
DX研修とは?実施する方法や企業事例について解説します!
「これから先の時代、DXが重要になるので研修を行いたいが、どのようにすれば実施できるんだろう」
「参考にするために他社の企業事例も知っておきたい」
このように考えている企業の担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。いずれもDXをビジネスに活かしたいと考えている企業にとって悩みやすいポイントです。
今回の記事ではDX研修の概要、実施する方法や企業事例について解説します。DX人材を育成する上で知っておくべき内容、DXを成功させるためのポイントもご紹介しているので合わせてご参考にしてください。
目次
1.DX研修とは

DX研修とはDX推進に関わる人材を育成することを指し、会社によっては社内で行ったり、外部に依頼を行ったりします。社内でDXを推進したいと考えている企業にとっては重要な課題になるでしょう。
社内でDX研修を行う場合、費用を抑えて社員を教育することが可能です。ただし、自社での研修ノウハウがない場合は育成に時間がかかる上に、人的なコストがかかる点には注意が必要になります。
社外に研修を任せる場合は人的なコストを抑えられる上に、質の高い研修サービスが期待できます。費用が発生する点も含めて慎重に検討することが大切です。自社の状況を考慮しながらどのように研修を行うか決めると良いでしょう。
DX研修の必要性
DX研修を行うことでITやDXに対して知見があり、周りを引っ張っていける人材を育てることが可能です。DXを行うことで、様々なビジネスチャンスの開拓に繋がるため、研修を行いDXの推進を進めている企業が増え始めています。
社内でDXを推進することでワークフローの統合やタスクの自動化を図った業務効率化、新商品や新サービスの開発に繋げることが可能です。自社の体制や、販売に対して改善を行いたいと考えている企業に特に役立ちます。
DX推進を図ることにより、社内でさらに柔軟な対応を取ることが可能になり、今までチャンレンジできなかった領域に着手することにも繋がります。既存の事業だけではなく、新たな事業や業界に挑戦したいという企業にぴったりです。
DX研修のメリット
DX研修を行うメリットとしては、社内でDXに対応できる優秀な社員を育成できる点が挙げられます。社外からDX人材を調達する必要もなくなるので、社内でのよりスムーズなDX推進が可能です。
DX人材を外部から起用する場合、自社のことを十分に知ってもらうための時間や、コストも発生してしまいます。スピーディかつ、コストを掛けずにDX推進を行いたいのであれば、社内でDX研修を行って社内でDX人材を育成する方がいいでしょう。
社内の状況も見ながら、対象者を選定した上で自社、外部サービスどちらかを用いて育成を行いましょう。
2.DX人材を育成するなら知っておきたい内容

DX人材を育成する場合は何点か知っておくべきポイントを押さえておく必要があります。「対象者をしっかり選定する」「環境構築を行う」といったポイントを押さえると、より効率的な育成が望めるでしょう。
ポイントを押さえずにそのまま研修を開始してしまうと、方針が定まらず非効率な研修になる可能性もあります。ここからは、DX人材を育成する際に知っておきたいポイントを3点ご紹介するので、研修時のヒントにしてください。
対象者をしっかり選定する
DX人材にはITの活用によって、自社の企業組織やビジネスモデルに変革を起こすことが求められます。ITに対する知見や技術力の高さが必要になりますが、同時にリーダーシップがあり、コミュニケーション能力を持っていることも大切です。
ITに関する知見や技術力は座学などで身に付けることが可能ですが、リーダーシップやコミュニケーション能力は本人の資質による所も大きいです。そのため、リーダーシップやコミュニケーション能力が無い方はDX人材に向かないことがあり得ます。
誰もがDX人材に向いているとは限らないので、自社内のデータを元に対象者を慎重に検討しましょう。
知識・技術を習得するための環境構築
IT研修を行って人材を育てる場合、環境構築を行わないとスムーズな育成に繋がりません。「ネットワークスペシャリスト」「データサイエンティスト」などの資格取得をサポートできる制度などをまずは整えましょう。
学習環境や費用面のサポートはもちろん、資格取得によるインセンティブ制度などを設けると自然と対象者のモチベーションに繋がります。社員の意見も汲み取りながら、制度を策定すると対象者に納得してもらいやすい環境構築に繋げることが可能です。
対象者の学習状況、資格取得状況の進捗を把握しつつ、スムーズに育成できるようにサポートを行い、対象者の負担を軽減するように意識しましょう。
研修の充実
DX研修を行う場合は、eラーニングシステムによる座学、資格取得による学習だけではなく、OJTによる実践的な教育もおすすめです。座学のみでは学べない部分もカバーすることができます。
また、社内外での交流会やセミナーなども対象者のDXの知見を伸ばす際に役立ちます。リアルな経験を通して、より本格的な知識やスキルを学ぶことができるので、より充実した研修が期待できるでしょう。
DXに関するセミナーや交流会があれば、積極的に参加させるように社内で促し、対象者のスピーディな育成を目指しましょう。
3.DX研修を実施する方法

DX研修を実施する場合は自社で研修を行うか、DX研修サービスを活用するかの二択です。自社の予算や人的コストなどを把握した上で、どちらで研修を実施するのか慎重に検討する必要があります。
ここからはDX研修を実施する方法を2つのポイントに分けて解説を行います。これからDX研修を実施する場合のヒントにしてください。
自社で研修を行う
自社でDX研修を行う場合は、対象者にDXを習得させる目的をイメージしながら取り組みましょう。社内業務を改善したいのか、自社の新たな商品・サービスを開発するのか明確なイメージを作ると、対象者もモチベーションを高めて学べます。
まずはeラーニングシステムや、座学などでしっかりとITに関する知識やスキルを固めます。マネジメント、コミュニケーション能力などの育成なども同時に行うと、よりDX人材に相応しい研修が可能です。
ITに関する基礎知識やスキルを身に付けた後は、OJT、実務などを通して実践力を身に付けさせましょう。社外のセミナーや交流会があれば積極的に参加させることでより広い知見を手に入れることが可能です。
DX研修サービスを活用する
もし、社内での研修が難しい場合は外部のDX研修サービスを活用しましょう。プロの指導が期待できるので、より本格的なDX人材に育成することが可能です。国内でDX研修サービスを行っている企業は数多く存在するので、比較検討しながら決めましょう。
DX研修サービスではITの基礎、DXの考え方など初歩的な部分から学べる場合が多く、初心者の方でも安心して知識を習得できます。その上でノーコード開発を学び、実際に開発などを体験して徐々にステップアップすることが可能です。
DX研修サービスによっては上級者向けのものもあり、本格的なプログラミング、データサイエンスを学ぶことも可能です。対象者のスキルや知識を見つつ、本人に合った研修サービスを受講させましょう。
4.DX人材の育成に取り組む企業事例
ここまではDX研修の概要、実施する方法などをご紹介を行ったので、DX研修のイメージが湧きやすくなったのではないでしょうか。そこで、実際の企業事例についても触れるとさらに参考にしやすくなります。
ここからはDX人材の育成に取り組む企業事例を2社に厳選してご紹介します。それぞれの企業の取り組みにおける特徴を記載しているので、自社でDX研修を行う際のヒントにしてください。
事例①みずほフィナンシャルグループ

「次世代金融への転換」を目指すみずほフィナンシャルグループでは、DXに対応できる人材を育成しています。今後の社会において必要な社員一人一人のデジタルリテラシーを向上できる研修を行っているのがポイントです。
オンライン学習やOJTなどを用いて、それぞれの社員に合わせたレベルのプログラムを展開しています。基礎知識習得のプログラムとしてオンライン教育サービスである「Udemy」を活用し、なるべく個人差を埋められるような教育を行なっているのが特徴です。
デジタル化に関するスキルや知見がある人材を講師として養成するなど、グループ内のリソースの活用も進めています。社内での研修を強化できるように、様々な取り組みを行なっている企業の事例と言えるでしょう。
事例②日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングスでは、全社員のデジタルスキル向上に取り組んでいます。業務改善システムの開発を外部ベンダーに頼ることなく、内製化できる組織体制の構築を行なっていたりと本格的な教育を行っているのがポイントです。
「ローコード開発ツール」を導入しており、コードを使わずに社内でのアプリケーション開発を実現しています。自社の事業部内で完結するようになっていることから、外注コストの削減に繋げることに成功しました。
自社内で様々なDX研修やサポートを行い、成功例を確立し、社内でのDX推進に成功している事例となっています。
5.DXを成功させるために大切な3つのポイント

DXを成功させるためにはただ研修を実施するのではなく、ポイントを抑えて行動することが重要です。「DXの目的を明確化」「チームの構築」など行うべき行動は多く、自社に合った形で実践する必要があります。
ここからはDXを成功させるために大切なポイントを3つに厳選してご紹介します。いずれもDXを成功させるために重要な内容になっているので、これからDXを実践する場合は1つずつ確認していきましょう。
①DXの目的を明確化
自社でDXを推進する場合は、何を目的にしたいのか明確にすることが大切です。DXを行えばそのまま業務効率に結びつくわけではありません。自社でDXに対する目的を明確化しない限り、対象者のモチベーションにも繋がらないため上手くいかないでしょう。
「DXを推進して自社の業務効率を高めたい」「新しい商品やサービスを作りたい」など明確な目的を持つことで、社内の認識を合わせるとズレのないDX推進が可能です。経営側と現場の認識を整えて、常に情報や進捗を共有してDX化を行いましょう。
経営者側の意見だけを押し付け、現場への理解を怠ってしまうと相互で上手く連携を取ることが難しくなります。経営側は現場への理解を深め、現場側は経営側の描くゴールを理解しながら日頃の活動に取り組むように意識しましょう。
②小さな成功事例の積み上げ
これからDX化を推進していくのであれば、いきなり大きな改革を行うことは難しいです。DXに対応できる人材を研修して教育する必要がある上に、成功事例も少ないことが見込まれるので、無理に大規模なプロジェクトを行うと途中で頓挫する可能性があります。
まずはDX人材の確保、研修の実施を優先し、自社のDX環境を構築するように努めましょう。ある程度環境が整ってきた後は、開発などを行い、少しずつ成功事例を作っていきます。
成功事例を積み重ね、社内にてPRを行うことで社内全体のDXに対する意識や、認識の向上が可能になります。社員のモチベーションにも繋がるので、まずは実践可能な範囲から取り組み、徐々に大きなプロジェクトに挑戦できる体制を整えましょう。
③DXプロジェクトチームの構築
DXにおける成功事例を積み重ね、社内でのDX化のモチベーションが高まることで様々な部署でのDX推進に繋がりやすくなります。一方で、様々な部署で複数のプロジェクトが始まると連携が取りにくくなることもあるでしょう。
社内での連携を効率良く高めるためにも、社内の中心となるDXプロジェクトチームを作成することがおすすめです。部署ごとのDXプロジェクトの進捗管理がしやすくなり、情報可視化にも繋がることで、より無駄のない動きが可能になります。
ハブとなるDXプロジェクトチームで事例を蓄積し、分析を行うことでDXに対するノウハウの向上も見込めます。人選なども慎重に行った上で、DXプロジェクトチームを構成し、社内全体のDX推進を実施しましょう。
参考資料 https://www.youtube.com/watch?v=8nHtLthBuDg
6.明確な目的を持ってからDX研修を行いましょう!

今回の記事ではDX研修における概要、実際の取り組み方、企業事例など様々なお役立ち情報をご紹介しました。DXを成功させるためのポイントについても解説しているので、これからDX推進を社内にて行いたいと考えている企業にぴったりの内容です。
「DXがトレンドだから、とりあえず自社でもやってみよう」という考えでDX推進を行うと、目的を見失いやすく、モチベーションの低下にも繋がってしまいます。そのまま失敗する危険もあるので危険です。
「なぜ自社でDXを行う必要があるのか」「DXを持って何を実現したいのか」というポイントを明確化してDX研修を行う必要があります。対象者の選定から慎重に行い、自社の状況に合った方法で研修を進めていきましょう。